二荒山神社は太古男体山(二荒山)を主峯とし日光八峯を国土鎮護の神々が鎮り坐す霊峰として尊崇され、奈良時代の末天応2年(782)沙門勝道が前人未踏の登頂を果し、二荒神を奉斎してより、今年で1230年の記念の年を迎えました。
悠久1230年の歴史を物語る宝物類は多種に亘り、国宝・重文指定の貴重なものが数多く、日本宗教史上稀なる学術資料であるとの評価を受け、これらを収蔵する宝物館が中宮祠の北岳南湖の地に建設されてより本年で開館50周年を迎えることとなりました。
殊に全国屈指の刀剣の所蔵は御神徳とその信仰の偉大さを表わし、国宝2口・重要文化財11口・県文10口を数え、大小刀・剣・薙刀等176口に及びます。このたび国宝倫光・来国俊の2口が海外出陳の縁でメトロポリタン美術館の特別顧問小川盛弘氏に依頼して、神社所蔵の国宝・重文・県文指定の刀剣を中心とする名刀展を開催する運びとなりました。
茲に男体山頂鎮座1230年、宝物館開館50周年記念名刀展が多くの皆様方に感銘を与え、刀剣愛好家の研究の礎となれば幸甚に存ずる次第であります。